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コラム
2026.2.13
共有状態の実家が空き家…放置リスクと最初にやること
共有不動産に多いお悩み(当てはまるものにチェック)
兄弟で相続した実家が、空き家のままになっていませんか。
「売る・残す」を決めたいのに、話を切り出せず時間だけが過ぎる。 この状態はとてもよくあります。
まずは、いまの状況をチェックしてみてください。
□ 兄弟それぞれ考えが違いそうで、話題に出せない
□ 鍵を誰が持っているか、管理を誰がするか曖昧
□ 草木・ゴミ・近所対応が気になる
□ 固定資産税や火災保険など、費用の負担が不明
□ 「いつかやる」と思いつつ、1年くらい動けていない
チェックが多いほど、先に「整理」から入ると揉めにくいです。
最初は「売る話」ではなく「整理」から
兄弟共有の空き家は、放置すると動かしにくくなります。理由はシンプルです。
- 管理の負担が偏る
- お金の話がしづらい
- 「売る/残す/住む」の希望がズレる
だから最初は、売却の話を決めなくてOKです。“整理の順番”だけ決めるのが安全です。
先に押さえる「結論3行」
- 結論: 兄弟で共有している空き家は、放置すると「管理の押し付け合い」と「売る・残すの意見のズレ」で、時間がたつほど動かしにくくなります。
- まずやること: 売る話を始める前に、①誰がどの持分か ②鍵・管理は誰か ③固定資産税など費用は誰が払っているか ④それぞれの希望(売る/残す/住む)を紙1枚に整理します。
- どうしても無理なら: 話し合いが止まる場合は、持分の整理(売却含む)や法的手続きも含めて、現実的な“出口”を比較します。
まず紙1枚で整理する4つ(ここが最初の一手)
ノートでも、スマホのメモでもOKです。「紙1枚」にまとめるのがポイントです。
① 共有者と持分(登記簿で確認)
- 共有者は誰か
- 持分割合はどうなっているか(例:各1/3など)
- 登記名義は誰か(父のまま等)
※登記が未整理でも、整理の準備は進められます(手続きは個別事情で変わります)。
② 管理の現状(鍵・草木・近所対応)
- 鍵は誰が持っているか
- 最近いつ誰が行ったか
- 草木・室内の換気・郵便物の確認はどうしているか
- 近所から連絡が来たとき誰が対応するか
③ お金の現状(税金・保険・修繕)
- 固定資産税:誰が払っているか
- 火災保険:入っているか/誰が払っているか
- 修繕・片付け:お金がかかったことがあるか
- 今後必要そうな費用:草刈り、簡易修繕など
④ 兄弟それぞれの希望(売る/残す/住む)
- 売りたい
- 残したい(将来使う・思い出がある)
- 誰かが住みたい/使いたい
- まだ決められない
この段階で結論を出さなくてOKです。まずは「違いがある」と分かれば前進です。

兄弟3人で話し合いを始めるときのコツ(揉めにくい段取り)
最初に決めるのは「結論」じゃなくて「順番」
3人だと意見が割れやすいので、最初の話し合いは「売る/残すを決める場」にしません。
ここで結論を急ぐと、反発や誤解が生まれやすいからです。
① 現状を共有する(事実だけ)
② 次回までの宿題を決める
③ 次回の期限を決める
この3つが揃うと、「誰かが全部やる」状態にならず、話が前に進みます。
現状をまず確認する(10分でOK)
話し合いがこじれる原因は、情報がズレたまま話し始めることです。
まずは“確認”だけして、分からないことは「分からない」で止めてOKです。
確認するのはこの3つ。
- 鍵は誰が持ってる?(予備はある?)
- 最近いつ誰が行った?
- 連絡が来たら誰が対応?(窓口)
ここまで確認できると、次の宿題が決めやすくなります。
兄弟に聞く“最初の一言”(揉めにくい言い回し)
最初の一言は、相手を責めずに「状況確認」に限定するのがコツです。
売る話を先に出さないだけで、反発がかなり減ります。
- 「売るとかの話じゃなくて、現状だけ整理したい。鍵って誰が持ってる?」
- 「最後に誰が見に行ったか分かる?」
- 「放置すると近所に迷惑が出たら嫌だから、窓口だけ決めときたい」
NGな言い回し(こじれやすい)
次の言い方は、相手の防衛反応を強めやすいので避けるのがおすすめです。
- 「いつまで放置するの?」
- 「売った方がいいでしょ」
- 「なんであなたは何もしないの?」
次回までの宿題を1人1つ(簡単なことを分担)
3人の話し合いが進むコツは、「重い宿題を1人に背負わせない」ことです。
各自10〜20分で終わることを、1人1つだけ持ち帰ります。
- Aさん:鍵・最後に行った時期を確認
- Bさん:固定資産税や保険の支払い状況を確認
- Cさん:方向性の希望を整理(売る/残す/住む/未定)
宿題が揃うと、次回は“事実”を材料に話せるので、感情でぶつかりにくくなります。
次回の期限だけ決める(焦らないための仕組み)
期限がないと、善意でも先延ばしになります。 「結論を出す日」ではなく、「もう一度集まる日」だけ決めましょう。
- 「○月○日までにもう一度確認しよう」
- 連絡手段は「LINEグループで」など決めておく
- 次回の議題は「宿題の共有だけ」など、焦らない
ケース(典型例:3人兄弟+費用の立替が発生)
兄弟3人で相続した実家が空き家になりました。 最初は「そのうち話そう」と言いながら、誰も話題に出せませんでした。
その間に、固定資産税と火災保険だけは止められず、長男が毎年立て替えていました。 ある日、近所から「草が伸びている」と連絡が入り、長男が対応したことで負担がさらに増えました。
数年後に切り出したところ、次男・三男は「そんなに払ってたの?知らなかった」「言ってくれれば相談したのに」と反応。 揉めた原因は性格ではなく、順番でした。
うまくいく進め方
1.立替の事実を「責めずに」共有(いつ/何に/いくら)
2.これからのルールを決める(費用はどう分担するか)
3.次に“方向性”を決める(売る/残す/住む)
- よくある質問(FAQ)
Q1. 立て替えた固定資産税は、あとから請求できますか?
状況によりますが、まずは事実の整理が先です。 「いつ・何の費用を・いくら払ったか」をメモや領収書でまとめておくと話が進みます。 いきなり請求よりも、最初は**「これからの負担をどうするか」**を決める方が揉めにくいです。
Q2. 登記が親のままでも、話し合いは進められますか?
はい、進められます。登記が未整理でも、先にできることはあります。 ただし、最終的な手続きは個別事情で変わります。不安がある場合は早めに専門家へ相談すると安心です。
Q3. 兄弟に話を切り出すとき、最初に何と言えばいい?
ポイントは、売る話をしないことです。現状確認から入ると反発が起きにくいです。
言い方の例
- 「売るとかの話じゃなくて、現状だけ整理したい。鍵って誰が持ってる?」
- 「放置して近所に迷惑が出たら嫌だから、窓口だけ決めときたい」
- 「固定資産税とか、いまどうなってるかだけ共有したい」
まとめ
- 共有の空き家は、放置すると“管理”と“お金”から話がこじれやすくなります。
- 最初は売る・残すを決めなくてOK。まずは「紙1枚の整理」と「次回の期限」だけ決めましょう。
- どうしても話が止まる場合は、持分の整理(売却含む)など、出口の選択肢を比較すると前に進みます。
ここまでお読みいただきまして誠にありがとうございます。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の事情により結論や手続きは変わります。
具体的な判断は、専門家へご相談ください。
「うちの場合はどう進めるのが早い?」だけでも大丈夫です。状況整理から一緒にやりますので、お気軽にご相談ください。
